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粉薬の作り方~分包編~

粉薬の作り方~秤量編~の続きです。

 

秤量した薬は、散剤分包機で分包します。

散剤分包機.jpeg

手前の左右のホッパーのどちらかに粉薬を入れます。2種類以上の粉薬を混ぜるときは混ぜてから入れることもできますし、別々のホッパーに入れて、中で合わせることもできます。

 

上のマス目には錠剤をセットすることもでき、粉薬と錠剤を一緒に分包することもできます。ただ、薬の管理は簡単になりますが、粉薬と錠剤は一緒にすると飲みづらくなるのと、薬の変更(医師から一部の薬の中止指示が出るなど)があった場合の調節が難しくなるので、積極的にはお勧めしていません。

 

散剤分包機設定画面.jpeg

 

分包機上のパソコン画面で氏名、用法、日数などを入力します。入力したデータが分包機に反映されます。

 

ホッパー.jpeg

 

ホッパー内に粉薬を入れます。

 

スタートすると、下の銀色の円盤が回転し始めます。

 

円盤.jpeg

 

隙間から覗いたところです。見えづらいですが、ホッパーの土台が振動し、四角く開いた部分から下に落ちていきます。落ちる先は円盤で、回転しているため少しずつ均等に落ちていく仕組みです。粉薬はその特性で落ちる速度が変わるので、薬によって速度設定は調節します。例えば、流動性が高くサラサラの薬は油断しているとあっという間に落ちてしまって円盤上で不均等になる場合がありますし、流動性が低く動きにくい薬はなかなか落ちずに時間がかかったりします。そういうことも考えながら作っているのです。

 

スクレーパー.jpeg

 

撒き終わったら、円盤が一定の角度で回転が進み、1回分ずつかき出していきます。

分かりにくいですが、円盤は1周360度なので、例えば全30包なら1包あたり12度ずつ回転が進み、その都度スクレーパーという刃が左の穴にかき出していきます。モリワキ薬局のこの分包機は1回に1~135包まで設定ができるのですが、円盤の回転する角度が自動的に計算されて動いてくれます。賢いですね。

 

粉薬が落ちた先はこのようになっています。普段はカバーがついているのですが、外すとこのような工場チックというか、メカニカル(?)な感じです。

 

散剤分包中.jpeg

 

専用の分包紙の中に粉薬が落ち、その先で圧着され、さらには終わったときにカッターで切断してくれます。ハイテクですね。

 

粉薬の分包ができました。

 

散剤できた.jpeg

 

この後、異物の混入がないか、均等に分包されているか、包数は正しいか、また粉薬の作り方~秤量編~で紹介したレシートも用いて正しい量が量れているか、場合によっては完成品を量って監査をします。

 

散剤監査.jpeg

 

問題がなければ、いい感じに折って畳んだり、くるくると巻いてまとめます。

 

くるくる巻いた.jpeg

 

くるくると巻くとこんな感じになります。密封されてはいますが、粉薬が湿気やすいものであれば、乾燥材とともにユニパックなどに入れて、薬袋に入れて完成です。

 

長くなりましたが、こんな感じで粉薬を作っています。やはり錠剤を取りそろえるのと比べると、粉薬は少し時間がかかります。あらかじめFAXやメール、電子お薬手帳の機能などを用いて処方箋画像を送っておいてもらうと、待ち時間も短くなるのでお勧めです。よろしくお願いします。

  2019/05/29   moriwaki-ph

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