インフルエンザの患者さんが増えてきました。インフルエンザについての情報をまとめましたので参考にしてください。
インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染して発症します。特徴しては、38℃以上の発熱、鼻水、のどの痛み、せき、頭痛、筋肉痛、全身のだるさ(けん怠感)などといった症状があり、発熱が3~5日程度続きますが、熱が出ない場合もあるようです。潜伏期間といって、感染してから発症するまでは2~3日のタイムラグがあります。発症しても、お薬なしで治まる場合がほとんどですが、まれに重症化して肺炎が起こる場合があります。
インフルエンザ対策としてはまず感染しないように、予防することが大切です。予防方法は予防接種のほか、免疫力を低下させない生活(十分な栄養摂取と休養)、運動の習慣、うがい手洗い(鼻うがいも!)などです。また、感染は基本的に飛沫感染です。感染した人の咳や鼻水などの分泌物を吸い込んで感染することがほとんどなので、マスクをするのも効果的です。マスクは自分がならないようにという意味合いもありますが、他人に感染させないという意味でも重要です。流行時期は不要な外出を控えるましょう。100%予防できるわけではありませんが、これらのことを心がけることで感染のリスクを低下させることができます。
感染してしまった場合ですが、最初に書いたように、お薬なしでも治る場合が多いです。脱水症状にならないように水分を摂って、暖かくして休むことが基本です。お薬は大きく分けて2種類あります。①インフルエンザウイルスを抑える抗インフルエンザ薬、②症状を抑えるお薬です。
①抗インフルエンザ薬には、発熱などの症状の期間を1~2日程度短くする効果があります。飲んですぐに治まる特効薬というわけではありません。錠剤、カプセル、粉薬、吸入薬と、いろんな種類があります。すべて医師の処方せんが必要なので、薬局で販売はできません。発症してしんどい時に頭が回らないかもしれませんが、剤型の希望があれば医師に伝えるのもいいでしょう。(ただし、インフルエンザのタイプや医師の方針などで希望通りにいかない場合もあります。)以前、インフルエンザのお薬を飲んで高い所から飛び降りたり、異常な行動が起きるといったニュースがありましたが、お薬を飲まなくてもインフルエンザのときは同様の現象が起こることがあり、現在ではお薬との因果関係はないとされています。因果関係がないから安心ということではなく、インフルエンザになったらお薬を飲む飲まないに関わらず、異常な行動を起こす場合があるので、子供の場合は目を離さない、1階で寝るようにする、玄関の鍵をかけておくなど、注意しておくことが大切です。
むやみにお薬を使っていると、ウイルスの変異といって、薬が効かないタイプのウイルスになってしてしまうことがあります。なので、病院によっては、インフルエンザのときも抗インフルエンザ薬は処方せず、症状に対するお薬のみ、というところもあるようです。
②症状を抑えるお薬ですが、その通り、つらい症状を抑えるためのお薬です。基本的には風邪薬と同じです。薬局で販売できるお薬もあるので、受診できない場合などは薬局で相談してください。抗インフルエンザ薬を処方しない病院もあるので、こういったお薬だけで様子をみるというのも方法としてはアリです。
インフルエンザは症状が鎮まっても、体からのウイルスの排出は続きます。目安としては熱が下がりきったその日を数えないで、プラス2日間です。この間も他人にうつる場合があるので、できるだけ外出を控えましょう。
長くなってしまいましたが、
①インフルエンザにかかりにくくなるよう普段から予防を心がける、流行期には特に注意する
②発症したかもしれないと思ったら水分を摂って暖かくして休む
③症状がひどければ、病院あるいは薬局にいく
④人にうつさないように注意する
当たり前のことですが、とても大切なことです。これから年末年始は人の移動が多くなり、さらに流行しやすい時期です。みなさん注意していきましょう。