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サイナスリンス考察

今回は、以前に紹介した、鼻うがいのサイナスリンスの取り扱いについて考察したいと思います。

 

サイナスリンス.jpg

 

 

使い方としては、下の画像の通りです。

 

 

サイナスリンス使い方.jpg

 

ここで問題となってくるのは、ボトルに入れるお湯です。使い方の説明では特別な記載はありませんが、滅菌をした方がよいと考えます。鼻の粘膜からの感染を予防するためです。(私はよく水道水をそのまま使いますが…)では、どのように滅菌をするかですが、①煮沸する、あるいは②電子レンジを利用する、という方法が簡単かと思います。

 

 

①煮沸する場合

医療現場における滅菌保証のガイドライン2015によると、熱水消毒の場合、細菌や熱に弱いウイルスには80℃で10分あるいは90℃で1分、B型肝炎ウイルスなどの耐熱性病原体には90℃で5分となっていました。鼻うがいで注意する対象としては非結核性抗酸菌あたりで特に熱に強い細菌ではないので前者で十分かと思いますが、ヤカンやポットでお湯を沸かすと、沸騰するまでの時間+冷める時間で90℃1分は超えると思います。ちなみに、中に入れるお湯はもちろんですが、容器も同じように消毒するのがよいと思います。

 

 

②電子レンジを使用する場合

電子レンジや容器の種類によって変わってくる可能性があるので難しいところですが、Microbial inactivation by microwave radiation in the home environmentという論文によると、キッチンスポンジや注射器を電子レンジに1~2分かけると99%以上細菌数が減少したようです。また、サイナスリンスのHPを確認したところ、下記の記載がありました。

サイナスリンスメンテナンス.jpg

ボトルの除菌には1分程度、電子レンジで加熱するのがよいようです。サイナスリンスに規定量の水を入れて、1~2分電子レンジで加熱すれば、中の水も外の容器もまとめて除菌できるのかもしれません。電子レンジの種類や水道水の温度によると思いますが、通常の水道水を自宅の電子レンジにかけたところ、500Wで50秒でちょうどいいくらいの温度になりました。ご参考までに。

 

 

海外ではアメーバ感染という怖い記事もありましたが、日本の水道ではほぼ起こらないのではと思います。アメーバの種類もよく分からないのですが、横浜市のHPによると、赤痢アメーバのシストは、乾燥に弱く、水については1分間以上の煮沸により殺すことができるそうです。

 

 

ということで、ようやくサイナスリンスの滅菌に関する考察の宿題を一旦片付けました。また何か新しいことが分かれば報告させていただきます。

  2019/08/17   moriwaki-ph

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